小浜市の伝統工芸

若狭塗 -国指定伝統的工芸品(昭和53年指定)-

空間を華やかに、雰囲気を賑やかにする、宝石のような塗物。

キラキラと光り、豪華な雰囲気が漂う『若狭塗』は、かつて”宝石塗”と呼ばれていました。漆の色の他に白や赤、緑、黄色など、実に多彩で華やかな塗物です。丈夫な生地の上に、先代から受け継いだ模様を飾り、色を塗り重ね、石で研いで模様を出します。
漆黒の上に光る装飾は、盛りつけた料理やお菓子をおいしく見せるだけでなく、その場に会する人との会話も賑やかになるでしょう。
また宝石のような高貴な雰囲気は、美術工芸品として飾っておくにもぴったりです。使ってみたり飾ってみたり、若狭塗は家の中のどんなシーンにも活躍します。

若狭塗の特徴

全国に数多い漆器産地の中でも、『若狭塗』は漆を幾重にも塗り重ねては研ぐという、”研ぎ出し”技法を用いています。
極上漆を十数回塗り、貝殻・卵殻・金箔で模様をつけ、石や炭で研ぎ出し、数か月程を要して作られる若狭塗は、独特の重厚感と風格を持ち、愛蔵家指向の家具、什器として幅広く使われています。

ここがポイント

若狭塗と言えば、特に塗箸が有名です。細く小さなスペースにも華やかな装飾がちりばめられています。例えば食事の箸を塗箸にかえるだけでも、ほんの少しゴージャスに感じるかもしれません。

若狭めのう細工 -国指定伝統的工芸品(昭和51年指定)-

貴石めのうの輝きと繊細な職人の細工は、世界も誇る最高級品。

赤く透き通るような輝きと驚くほどの細工。
『若狭めのう細工』は、置物やアクセサリーとして根強い人気があります。原石に熱を加えて赤くし、天然石のキズに配慮しながら形を決めます。そして長く根気のいる研磨作業が続けられます。
江戸時代から手作業のめのう細工。天然石の光沢は職人技で輝きを増し、繊細な細工で最高級品となります。
小さくても最高級品をそばに置いてみれば、他の宝石では得られない、めのうだけの最高の輝きが感じられるでしょう。

若狭めのう細工の特徴

『若狭めのう細工』は、わが国の貴石細工のルーツです。
『めのう』は古くから七宝の一つに数えられ、優雅で艶麗な色調は人々の心を魅了すると言われています。
硬い石を砕き、思いのままの作品を彫刻する技法は、寸時の油断も許されない厳しい修行の中から生まれ、独特の技術を駆使して彫刻される『若狭めのう細工』は、宝石工芸の最高峰といっても過言ではありません。

ここがポイント

めのうの”赤”は、やはり祝い事に似合います。結婚の引出物や贈答品などに、置物やアクセサリーの利用が多くなっています。
また、ぐい飲みやお猪口、箸置きなど、小さなめのう細工をコレクションするのもいいですね。

若狭和紙 -福井県指定郷土工芸品(平成6年指定)-

生活の紙を和紙に変え、紙が織りなす豊かな表情で空間のイメージUPを。

清らかな水と若狭の風土が育てた『若狭和紙』は、約1200年前にこの地に伝えられました。
「繊維が長く、強靭なコウゾを原料に手漉き和紙を手掛け、今はちぎり絵などの手芸用や友禅の原紙が多いです。昔は紙と言えば和紙だったことを考えると、紙が果たす役割はもっと広いはずです」
例えば、白い障子紙の中に色紙を差せば部屋のアクセントに、またはランプシェードで独特の色を楽しむのも一興。強さが自慢の若狭の手漉きなら、簡単にしかも上手く生活に取り入れられると思います。

若狭和紙の特徴

水のきれいな若狭おばまで育まれた『若狭和紙』は、精選されたコウゾを原料とした純良で頑丈な和紙です。
かつては、絹布などの包紙として愛用され、和傘、障子紙、研磨紙、襖紙なども生産していました。現在は、美工紙も手掛け、名刺やアドレス帳、和紙人形の材料として使われています。

センスUP術

ラッピングを始め、便箋やメモ紙ノートなど身近なアイテムはもちろん、ランプシェードや壁紙に和紙を利用してみましょう。和紙独特の質感や色、模様が、自分だけの空間を演出してくれます。